子供と僕が環境への関心を高める方法としての養蜂

自然環境の語らい 養蜂のほうほう

ぼくが養蜂を始めた理由

 

甘くてオイシイ蜂蜜を独り占めできるという気持ちも少しはあるのですが(養蜂はそんなに甘くない)、実はもうすこしばかり深い理由があります。

昨年、実家がある千葉県南部は立て続けに2つの台風災害にみまわれ、いまだにブルーシートに覆われた家々が並んでいます。
「温暖化」というユルめの呼び名で片付けられないほど強烈な風と雨によって、自然の怖さを実感させられました。

 

蜂を飼う理由

 

なぜ「〇〇年に一度」といわれる気象現象が頻発するのかは、研究者の報告もたくさんあるので、CO2排出による温暖化が原因というのは何となくわかっています。
しかし、社会も水害や台風などに一時的に反応するものの「温暖化はどこか遠い国のできごと」と、2,3ヶ月もすればメディアもとりあげなくなります。

あれだけの被害をうけながら、どうしてすぐに関心がなくなってしまうのか?
その理由は、日々の自然環境の変化の感じにくさが無関心を生み出しているのではないかと思ったのです。
エアコンのある生活、移動は自動車、いつでも食べたいものが食べられる。
そんな生活の中では微妙な自然環境の変化をとらえることは困難です。

まずは自分が関心を持ちつづけられる、いい方法はないか考えました。

そこでミツバチの登場です。
自然の影響下で暮らす生き物で行動範囲が広く、環境変化を敏感にとらえるミツバチ。
かれらを飼育することで、ぼくと子供が日々の環境変化を身近に感じ、つねに関心をもつことができるのではないか。
しかも子供にとって環境問題は自分たちの将来の問題であり、現状を理解し関心を持つことはとても大切

ミツバチでおおきな環境変化がわかるデータがあります。
ある文献に、蜂の集める花粉は1950年以降そのタンパク質成分は3分の1になっていることが報告されました。
とうぜん花粉をつける野菜などの植物も、大気中の二酸化炭素濃度上昇の影響をうけていて、それ自体のビタミンC、タンパク質、カルシウム、鉄の含有量が3分の1減っていると言います。
(参考文献:Rising atmospheric CO2 is reducing the protein concentration of a floral pollen source essential for North American bees

見た目はそれなりだけど、ほんとうは発育不足という状態に陥っているのではないか。
その原因となっているのがCO2です。

「植物はCO2を取り込んで成長するんでないの?たくさん二酸化炭素吸って成長するんでないの?光合成って習ったんだけど?」と思いますが逆効果で、CO2過多だと葉が厚くなってその吸収力が落ちるんです。

大気中の二酸化炭素量はパリ協定のとき400ppmで大騒ぎして、その2年後には411ppmに達しました。
野菜で11円値上りしたら「なんで!」となるのに、意外と世の中的には芸能人の不倫くらい驚きもなくなってきました。

ちょっと話がそれましたが、こういった環境のことについて語るとき、ある意味どこか遠い国のはなしをする変なおじさんのように思われるでしょう。以前はぼくもそう思ったし今でもそういうところはある。
でも、ぼくも普通に車に乗り、飛行機にものる。
食べたいものを食べて、昼間から電気が煌々とともるジムで運動する。
不必要なものもありそうな量販店に行き、不要なものをつい買って満足してしまう普通の一般人で、“変なおじさん”というほどでもない(自覚がないだけかもしれないけど)。

そんな一般人でも環境問題について考えざるを得ないことを、たった2つの台風によって実感させられてしまった。
ひと夏の経験。
でもこれは青春時代の甘酸っぱい思い出などではなく、将来を憂えうべき大きな現実問題です。

かくして、ミツバチを飼うことにした次第であります。

 

今後の目標

 

そんなわけで、蜂を飼いつつ自分がおかれた自然環境の現状をすこしでも意識し、どう変化していくのかを自分なりに調べていきたいと思っています。

研究者ではないためできることは少ないですが、今後どこかの研究室に何かしらお役に立てるなら環境調査や農薬の影響調査用サンプルなどとして提供したいとも思っております。
オイシイ蜂蜜だけど…。

 

残された選択肢

 

実はいますぐにCO2排出をすべて止めたとしても、自然環境は地球上で起こりうるすべての事象が複雑に絡まりあって変化しているため災害が減るようなことはなく、むしろ逆に悪化していくと予測されています。

一旦回りはじめた壊れた複雑な歯車は、どんな動きをするのか誰にも想定できない。
ぼくらに選択肢があるとすれば、これまでと同じ生活様式を続けて飢餓や病気の蔓延、災害に目をつむるか、すこし我慢して悪化を遅らせるかの二択しかないのは事実です。

科学者がたてた、しばらく先の未来に起こりうる悪い予測という仮説が、ことごとく前倒しで起こっていることを考えると、むかし読んだノストラダムス本のように「なんだ嘘じゃねぇか」と将来笑いとばせる状況になるとは思えないのです。

人間一度便利な生活をしたら、たまのキャンプでの不自由さは楽しめても毎日の不便な生活は無理です。
先日の中国深圳などの都市が、一夜にして湖になる光景を目の当たりにしてもCO2排出はやめられないでしょう。

そこで少しでも環境に配慮できる生活様式を、いままでより少しだけまじめに考えていこうと思っています。
誰かにすすめたりするつもりはないですが、将来の子供達や生き物たちを考えるとなにかせずにはいられなくなりました。

口では「子供が可愛い、犬や猫が可愛い」といいながら何もしない大人にはなりたくないので。

 

 

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